2016.10.28 園長先生の日記

カヤック

毎週月曜日、朝のお集りの時に…

きよはるおじさん : 「さて、おじさんは日曜日にどこにいったでしょう?」

子どもたち : 「うみいいい〜!」

段々と浸透してまいりました。

 

きよはるおじさんは暑かろうが、寒かろうが、雨が降ろうが、雪が降ろうが、槍が降ろうが…ほぼ毎週海に行っています。

何をしているのか?と言えば「シーカヤック」。海のカヌーです。

「シーカヤック」というと「無人島ツアー」「魚釣り」「ツーリング」「キャンプ」…等思い浮かぶと思いますが、きよはるおじさんがやっているのは「グリーンランド式カヤック」。
(細かいことを言うと「シーカヤック」という言葉も誤りになるのですが…)

もちろん、ツーリング、キャンプ等もやりますが、中心は「カヤックがひっくり返った際のセルフレスキュー技術の習得」、俗に言う「エスキモーロール」です。

 

そもそもこのカヤックという船、もともとはグリーンランド先住民イヌイットの狩猟用の乗り物でした。

イヌイットの人たちは動物の骨や流木で骨組みを作り、それにアザラシの皮をはり付け小舟を作り、銛を手にアザラシ等の海獣を捕らえに海に出て行ったのです。

その小舟を現地の言葉で「カヤック」と呼びました。

猟場はグリーンランド、いわゆる北極海ですから、ひっくり返ったらそれこそ命に関わります。

さらに船から体が離れ(沈脱といいます)水の中に取り残されたら一大事です。

そこで彼らはセルフレスキューの技術として何十種類もの「ロール」を生み出しました。

ひっくり返った時の状況に応じてもっとも合理的な船の起き上がり方法をいくつも開発したのです。

「強風時でひっくり返った時に素早く起き上がるためのロール」「パドルが流された時に手だけを使って起き上がるためのロール」「片手に何か持っている時に起き上がるためのロール」…等々

「あなたはなんでこんなことやっているの??」とよく聞かれますが…。

さあ、なんででしょう?
とにかく出来なかったロールが出来るようになった時の爽快感、満足感これに限ると思います。あとは水中世界の美しさでしょうか。
全種類クリアーするためにはまだまだ練習が必要ですが、いずれすべてマスターしアザラシと一戦交えようと思います。

 

ところでこのカヤックとセルフレスキューとしてのロールがレジャー、スポーツと言った分野で進化し、それこそリオオリンピックでメダルを取った「競技カヌー」や「シーカヤック」「プレイボート」になって行きました。

オリンピック種目に「グリーンランド式カヤックのロール」が入らないかなと思うのですが、これはイヌイットの人々の生活に根ざした大切な文化なのでなかなか難しいのですね。